Jackendoff, R. (1992) "Mme. Tussaud Meets the Binding Theory," Natural Language and Linguistic Theory 10, 1-31.

1.現代英語
状況:リンゴ・スタービートルズのドラマー)と一緒に、ロンドンのマダム・タッソーの館(蝋人形館)を見物している。

(8) All of a sudden I accidentally stumbled and fell on Ringo.
この文は多義(リンゴ本人に倒れかかった、リンゴの人形に倒れかかった、どちらとも取れる)
(9) All of a sudden Ringo started undressing himself.

この文も多義(本人が服を脱ぎ始めた、本人が蝋人形の服を脱がせ始めた、どちらとも取れる)(注:チョムスキーの直観だと後者の読みはないとのこと。)

(10) ? All of a sudden Ringo stumbled and fell on himself.

この文は多義でない。本人が蝋人形に倒れかかった、の意味。

(11) All of sudden I accidentally bumped into the statues, and John toppled overand fell on Ringo.

この文は多義。ジョン(・レノン)の人形がリンゴの人形に倒れかかった、
リンゴ本人に倒れかかった、のどちらでも取れる。

(12) All of a sudden I accidentally bumped into the statues, and *Ringo toppled over and fell on himself.

この文は、語用論的に「リンゴの人形が本人に倒れかかった」の解釈しかあり得ないが、この解釈が不可能。


まとめると、
(13) Ringo fell on himself.
は、「本人が人形に倒れかかった」は良いが、「人形が本人に倒れかかった」は不可能。
2.シェイクスピアの英語
再帰代名詞が主語になっている例。ただし、動詞は3人称単数の語尾を示す。
Myself bewails good Gloster's case. (ヘンリ6世、3幕、1場、217行)
Myself hath often overheard them say. (タイタスアンドロニカス、4幕、4場、74行)