文章の難易度 リーディングスキルズテストと近年のAI

 文章の難易度というとFlesh-Kincaidが有名であるが,これを含めて語彙の難易度のように思われる。感覚的には,内容の難易度も重要だと思われるが,語彙が分かれば後は思考力の問題と考えているのだろう。アメリカ的割り切りだなと思う。

 この点,リーディングスキルズテストとは大きく異なる(RSTは我慢テストになっている気もするが,それについてはここでは触れない)。係り結びや照応の解決など,形式を問題にして,それこそがリーディングスキルであると言っているからである。RSTはその母体となった「東ロボくん」プロジェクトが終了した今,一人歩きで続いているようだ。

 「東ロボくん」プロジェクトの成果が発表されなくなった近年,AI技術がChatGPTに代表されるような形で劇的な発展を遂げているが,これは重要ではないのだろうか,という疑問が湧く。ちょっと検索を掛けると,RSTのホームページで新井紀子氏がChatGPTに東大の問題(記述なので恐らく二次試験)を解かせて,その結果,文体はもっともらしいものの,内容が破綻していた,と報告している。

www.s4e.jp

 

 下に引用する記事中でAIは岸田首相の属性を間違えると報告されている。ChatGPTで試すと,Fumio Kishida, the former Prime Minister of Japanと返してくる。私自身,確かに早くformerになって欲しいと思っているが,だからと言ってこんな間違いが許容できる訳ではない。

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